34人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
葵の家を訪問してから早一週間、ビデオテープが壊れたみたいに何度も何度も同じ場面が脳裏に浮かぶ。
その度に触れる唇には今も葵の熱が残ってる錯角に囚われてしまう。
葵はあれからずっと休んでいる。
「大ニュース、大ニュース。
葵に彼女がいるみたい」
「葵君に彼女?」
「あっそれ私も聞いた」
「そうそう結構見た人いるの、年上の綺麗な女の人」
「うそ~ショック」
そんな彼女達の悲鳴に近い話声が教室内に響き渡る。
私はさも他人事のように振舞ってみても心がざわざわと揺らぐ。
最初のコメントを投稿しよう!