好き時々嫌い。

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「・・了解」 その言葉と共にまるで誓うように軽く唇を当てると離れ私のその手から深紅のバラとマイクを取り、また私の身体をその両手にすっぽり包む。 「いい女だろ?御崎ゆりあは最高の女だ。 でもいいか、御崎ゆりあは俺のモン、海藤葵は御崎ゆりあのモンだ、心も身体もな、ちょっかい出すんじゃねえぞ」 葵の言葉はマイクを伝い会場中だけじゃなく、教室に残っていた生徒にまで届くように響き渡る。 私は恥ずかしさと幸せの余韻に浸っていると舞台を静かに下りる。 姫宮に気付き私は葵の身体を押し抜け出るとその後を追う。 『姫宮さん・・』 「ごめんなさいなんて言ったら許さない。 ごめんなんて思うぐらいの気持ちで葵君を手にしたならもっと許さない」 『分ってる、謝ったりしないわ』 「悔しいけど葵君はずっと貴女を見てた。 葵君を見てた私が言うんだから間違いないの。 だから、葵君を不幸にしたらいつでも奪うから」 姫宮は私のほうを一度も振り返らずにその言葉だけを残し校舎へと歩いていく。
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