零れた優しさ。(番外編)

3/7

34人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
『・・親睦旅行、もうそんな時期なんだ』 私の脳裏にあの日のことが浮かぶ、そうあれはまだ入学したばかりの当初、親睦旅行で出かけた日。 慣れない旅行と見慣れない周りの環境に私は戸惑ってばかりで気疲れしていた。 それでも先輩達やクラスメイトの子達を不快にさせたくなくて私はそれを隠し通していた。 そして最終日、全員で肝試しをすることになり勿論その中には葵の姿もあった。 ゴールは墓地を越えたその先で懐中電灯一個、昔から暗闇やホラーが苦手な私は顔が引き攣る、それでも精一杯平気と笑ってみせた。 男女ペアで行くことになりくじ引きを引き決められた相手と 暗闇の中へと次々吸い込まれて行くように出発していき葵も私の前に別の女子生徒と出発していた。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加