零れた優しさ。(番外編)

4/7

34人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
私は三年の先輩と一緒に行くことになり私達も暗闇へと歩き出す。 先輩はあれやこれやと想像しながら楽しそうに笑っていたが私は、そんな状況ではなく静か過ぎるくらいの周りと暗闇に今にも逃げ出したくてしょうがなかった。 そんなことばかり考えているといきなり隣にいる先輩に腕を掴まれ脇道に引き摺られるように連れ込まれそのまま押し倒される、私は怖くて無我夢中で抵抗するように身体をバタつかせるとその足が先輩の急所に当たり呻き怯んだ隙に私は逃げ出し暗闇の中を走り出す。 私は怖くて怖くて泣きながら走った。 暫く走ると息が切れ私はゆっくり歩き出したのも束の間、追い討ちかけるように後ろから先輩が私の名前を叫び追いかけてくる。 恐怖を感じ近くの墓地に逃げ込み身を潜める。 先輩の声は段々と遠退き私はホッと胸を撫で下ろしていると今度は人気のない恐怖が襲う。 懐中電灯は先輩が持っていってしまった。 恐怖に耐えながら歩いていると前方から微かに明かりが揺らぐ私は安心感を覚えるもすぐに身体を強張らせる。 先輩が戻ってきたのではと後ずさりをし走り出すと直ぐにその腕は掴まれてしまう。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加