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うつ向いた義父をほったらかしにして、目的地である扉の前に立った。
そして、ノックをしようと右手をあげ、扉を叩こうとした。
「分かった。」
「…はい?」
「もう、ここに連れて来ないよ。」
「約束ですよ?」
「約束する。」
やった~もう、あんなの見なくて済むよ!
「ありがとうございます。」
嬉しさのあまり、満面の笑顔をむけた。
「うっ…桜ちゃん。その顔は…。」
左手で顔を隠す義父を覗いてみたら、赤くなっていた。
訳が分からん。何故、赤くなるのだろう。
「ん!…ただし、条件があるのだ。」
軽く咳をして、腰に手をあてた。
「桜ちゃんが、代わりね。」
「はい、さようなら。」
馬鹿だ…。
ガチャ
「お兄ちゃん、朝だよ!」
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