バレた!

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図書室から出て、ドアに鍵を閉め、教室に向かおうと振り向いた。 「ギャッ!ななななななな、何でいるの!?」 壁に寄りかかっていた男は、私の声でこっちを見た。素晴らしい笑顔付きで…。 兄さん、まっ、眩しいです! 例え、背中に黒いものが見えたとしても…。 「俺を騙せると思っていたの?」 「だっ、騙すなんて…」 兄は、私の前に立ち、見下ろした。 「じゃ、欺いたのかな?」 辛辣に出てくる言葉は、私の胸に刺さった。 「そんなつもりは…」 カバンを握る手が、汗ばんで来た。 「いつからなの?」
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