一、崩壊の始まり

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  授業が終わり、HRも終えると、進学校に通う僕らは当然のように塾に直行する。まぁ……、猿並の性欲の持ち主の立花優一や各科目の家庭教師を持つ宮野鈴は例外だが。     塾の講義が終わり、大量の問題集を渡され、僕は帰路に着く。   携帯電話を開くと、既に午後八時を回っていた。 まぁしかしいつもの事だ。家族も心配などしない。     自宅に着いたのは九時近くだった。   伊坂家の一軒家はごく普通、むしろ他より小ぢんまりしている。目立たなくて好ましいと僕は思う。       「ただいま」  
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