DEEP

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  「・・・ン。天津!」 橋の下で小さな犬が2匹、丸まっている。 一匹がもう一匹を心配そうに起こす。 「何?黒之介。」 一匹が天津(てんしん) もう一匹が黒之介(くろのすけ) と言うそうだ。 黒之介(以後、黒)は答えた。 黒「うなされてたみたいだけど…   大丈夫?」 天「う…ん。怖い夢…見た。」 黒「怖い夢?どんなの?」 黒が聞くと、天津は少し暗い表情になり答えた。 天「捨てられた時とその後の夢…。   黒と旅をする前の…。」 黒「そっか…。」 黒はそれしか言えなかった。 天津は静かにうなずいた。 その後少し沈黙が流れ、 先に口を開いたのは天津だった。 天「もう大丈夫だよ。   今は黒と旅してて、   辛い事もあるけど楽しいし、   もう…一人じゃないしね。」 と、涙を流しながら言った。 黒も涙を流しながら、 黒「うん。僕もだよ。   天津がいてくれて良かった。」 と答えた。 2匹はまた静かに眠りについた。  
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