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どうやら涙を流しているようだ。
この犬はもうずっと昔に...友達の天津を崖の上で銃に撃たれて亡くしてしまっていた。
黒が、、、自分が誤って崖から落ちてしまった時だった。
それ以来、黒はまた、、、一人で旅をしていた。
たまに天津の事を思っては涙を流している。
「天・・・津・・・。僕を置いて行かないでよ。待ってよぉ―――!!」
少ししてから黒は目を覚ました。
「夢・・・かぁ。あれから何年も経ってるのになぁ...。僕ももうおじぃちゃんになっちゃった...。天津、僕・・・寂しいよぉ。」
黒は少ししてから、また歩き始めた。
もう春で、サクラが満開でとてもキレイだった。
「もう、桜の咲く季節かぁ...。桜、綺麗だなぁ。」
黒は足を止めて桜の木の下で丸まった。
黒はもう歩くのもツライ状態だった。
「僕も、もうすぐ行けるかなぁ?天津の待っている・・・あそこへ...。」
黒はそのまま目を閉じた。
そして、そのまま目を開ける事はなかった。
黒は深い深い眠りについたのだ。
ある花見をしていた人が言った。
「2匹の犬が楽しそうに天へ昇っていった。」
…と。
2匹の犬は天国でまた楽しく走り回っているのだろう。
いつまでも幸せに…。
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