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この世界から離れたくない。
女の子はそう思いました。
けれど、女の子はお月様との約束を守って皆に
“ありがとう”と“さようなら”を伝えました。
“ありがとう”の言葉は、スッと口から出てくるのに、“さようなら”は、どうしても口に出すのをためらってしまいます。
それが、すごく、すごく辛かったけれど、みんなに何も言わずにいなくなりたくなかったから。
みんなに、笑顔のわたしを忘れないで欲しかったから。
みんなに、心配をかけさせたくなかったから。
みんなに、わたしがいなくなっても、笑顔でいて欲しかったから。
だから、女の子は泣きませんでした。
悲しいけれど、ずっと笑い続けていました。
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