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「貴女の命は、
確かにもう残り少ない」
それは、まだ幼い女の子にとって、受け入れがたい真実でした。
そして、それをお月様にも肯定されてしまった事で、女の子は余計につらくなりました。
「な…んで…?
何で、わたしは、もう死なないといけないの?」
いつの間にか女の子は、そう言っていました。
わたしは、何か、悪い事をしてしまっていたの……?
すると月は言いづらそうに、けれど女の子を恐がらせないように優しく答えました。
「それは…変えられない事なの。
けどね、そうすれば今はいなくなった人に会えるの。例えば、貴女の本当のお父さんに」
確かに女の子の父親は、亡くなっていました。
女の子がまだ生まれてすぐの頃に。
だから、女の子は本当の父親に会った事はありませんでした。
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