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けれど、今の父親は優しかったし、本当の父親のように女の子を可愛がってくれています。
だから、離れたくはありません。
けれど、やっぱり本当の父親に会いたいという気持ちも女の子の心の中にはありました。
だから……
「…もう少しだけ生きていてもいい?時が来たら、ちゃんといくから」
「えぇ。
その間に貴女には出来る事があるの。きっと、天国にいる貴女のお父さんも、今一緒にいる人達も喜んでくれる事」
「わたしに何ができるの?お月様」
「時が来るまで精一杯生きて、今まで出会った人に“ありがとう”を伝える事よ」
「うん。分かった。
でも、いつその時が来るの?」
「…次に、私が涙を流すとき。
それまでに終わらせればいいの」
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