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主水「その『戌の会』とやらがやるって事は、裏が取れてる証拠だろうぜ。奴等が外道じゃ無けりゃだがな」
おりく「でも仕事料がこれだけじゃ、皆には当たらないねぇ。どうする主水さん?」
主水「なに、たかが四人だ。皆で行くこたぁ無ぇだろ。誰か・・・」と、言いかけるや否や、金に手が伸びた。
主水と、側に居た直次郎と加代が見上げた。
手の主は市松だった。
捨三「市松おめぇ・・・」
小判を見つめる市松「・・・嫌な予感がする」踵を返すと、小判を袖に入れながら出て行った。
「俺もやるぜ」秀が小判を握った「話次第じゃ『戌の会』の奴等とも、仲間になれるかも知れねぇ」
それをおむらが否定した「甘いよ秀さん。江戸は私達の縄張りだ。これ以上好き勝手させるもんかね。ねぇ朝吉っつぁん」小判を取ると、後ろ向きに朝吉に渡した。
無言の朝吉、胸元で開きかけた扇子を、パチンと閉じた。
樽の前にしゃがんだ天平が言った「『戌の会』だろうが何だろうが、悪い奴なら俺が全部吹っ飛ばしてやるよ」金を取った。
続けて金を取る晋松「大火事にならねえうちに、火は消さねえとな」
頷く主水「奴等の居場所は?」
晋松「そいつは俺に任せてくれ」
「とっつぁんが行くなら俺も!・・・」長ドスを掴んだ直次郎が立ち上がったが、晋松は彼の肩に手を掛け「否、お前はここに居ろ。ここにも何か有るかも知れん。その時はお前と『こいつ(長ドス)』が役に立つ」
すっかり丸め込まれた直次郎「あいよぅ!」としゃがみ込んだ。
出て行こうとする錠に、主水「棺桶、ただじゃやらせねぇぞ」と、小判を投げた。
受け取った錠は一瞬笑顔になると、駆け出した。
主水「仕方無ぇ、『そいつ等』の面拝んでくらぁ」と残った金をさらうと立ち上がり、紙に包んで懐へ入れた。
周りを見渡し「俺に何か有ったら、後は頼むぜ」
頷く勇次、おりく、おせい達・・・。
出て行った主水の後をおきんと半次が追おうとしたが・・・。
ブラ平「あんた達!?」
おきん「いやぁ、見学だよ見学。なぁ半公!?」
への字口の半次が大きく頷くと、二人はそそくさと出て行った。
正八「・・・俺も行こう」ふらりと立ち上がり、出て行ったが、そののち駆け足になった。地面を掻く下駄の音・・・。
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