プロローグ

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プロローグ

バタン 亮介「・・・・・・」 重い扉を閉めて オレは一つ息を吐いた。 頭の中で この扉の向こうで 聞かされた言葉が 繰り返される。 初めから結論はでていた。 今更未練なんか あるわけがない。 そう自分に 言い聞かせながら オレはその場から 立ち去った。 授業も終わり人も まばらになった廊下を 歩くオレの先に 見知った顔の女が 立っている。 オレには そいつがなぜこの場所に いるのか察しが ついていた。 だがオレはあえて いつもどおりの態度を とることにした。 コイツの性格は よく知っていたから・・ 亮介「おい、天音」 天音「あ・・亮介ちゃん」亮介「こんな所でなにしてるんだ?」 天音「うん・・ちょっと・・・」 亮介「ちょっと?ちょっとなんだよ」 天音「うぅ・・・・・」 亮介「なぁ・・靴を履き替えたいんだが、ちょっとどいてくれないか?」 天音「あ、ごめんなさい・・」 申し訳なさそうにする 天音を横目に 靴を履き替えると そのまま昇降口の方に 歩いていく。 天音「あっ!まってよ!亮介ちゃん!」 天音「亮介ちゃん、ま、待って!」 校門を出たところで 走ってきた天音に 追いつかれる。
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