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(あ―ぁ、ツマラナイなぁ。何か楽しい事ないかなぁ?)
そんな事を思っていると、一人の男の子が声を掛けてきた。
知らない、見たことはあるかもしれないけど、知らない男の子・・・。
「ねぇ、どうしたの???」
・・・と。
私は答えた。
「別に。それよりアナタ誰???」
...男の子はニッコリと笑って
「俺は君と同じ学校で同じ学年の楽野飛鳥って言うんだけど・・・知らない???」
と言った。
(楽野・・・飛鳥?どこかで聞いたようなぁ・・・あっ!)
と、思い出して私は淡々と答えた。
「あぁ。あの有名な女たらしの楽って、アナタの事ね。」
しかし、楽野飛鳥と言う男の子は
「わぁ―。お堅い高遠 七海さんでも知っててくれたんだ。嬉しいなぁ。」
と、ピョンピョンと跳ねている。
(フッ、うさぎみたい。)
私は、そう思った。
それが顔に出ていたらしい。
「あっ!高遠さんが笑ったぁ~。かぁ~ぁい~ぃ♪」
と彼は言った。
私は“ハッ”として、いつもの無表情に戻した。
すると彼はガッカリしたらしく、
「あーぁ。せっかく可愛い顔が見れたのに、いつも通りに戻っちゃった。」
と言った。
私は素直じゃなっかたからこう言った。
「フンッ。どうせ他の女の子にもそんなこと言ってるんでしょ?
はぁ―、もういいかしら?
アナタに付き合ってるほど暇じゃないのよ、私。」
すると彼は少し考えたフリをして、こう言った。
「ねぇ、高遠さんって毎日、つまらなさそうな顔してるよね?」
と・・・。
そう言われて私は“ドキッ”とした・・・。
が、また淡々と答えた。
「そうよ。だって、ツマラナイもの。
ツマラナイのに楽しそうな顔してろって言うの?」
と言って、私は少し止まった。
彼は真剣な顔をして
「そんなこと言ってないよ。
ただ、毎日そんな風に過ごしてたらどんどん自分自身が暗くなっていくだけじゃないか!
せめて毎日笑ってみなよ。
何か変わるかも知れないだろ?」
と言ったので私は我を忘れて叫んでいた。
「冗談じゃない!私は嫌よ!
笑いたくもないのに笑って楽しそうにして、何がいいの?
そんな事しても楽しいことなんて何もないじゃない!!」
私はハァ―ハァ―と言っていた。
彼はまた聞いてきた。
「何が、君をツマラナクさせてるの?」
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