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それは約2週間前、ゲール北部基地で起きたテロ事件と関係していた。
当初このプロジェクトはコーブ技術研究所で独自に進められていた。
しかし、プロジェクトの実用化の目処がたつ頃になり、システムの重要性を認識したギルガメス首脳部は、より安全でより設備の整ったメルキア本国で開発を続けると決定した。
そして第一級機密事項として扱われることとなった。
それまでの技術データ、主要な研究員を極秘でメルキア星へ移送する手筈を整え実行した。
しかし、その移送船は大気圏を離脱した直後に、原因不明の爆発を起こし、研究は塵となって消えた。
モーシェックはこの時、補助研究員として勤務していたが、残務処理のため1人研究所に残り難を逃れたのだった。
停戦期間中のこのテロにより、バララント側との関係悪化が懸念されたが、バララント側は即座にこの件への関与を否定した。
確たる証拠もなかったため、この事件は収束したが、機密がかなりの高レベルまで漏れていたのは確かであった。
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