決着

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「やっと20分か、」 ガルロは残りわずかになったボンベをまた地面に置いた。 ボンベはこれで終わりだった。 突進してくるスコープドッグを確認して、またATを後退させ、ボンベを打ち抜いた。 ドドドォオオォーン!! 2度目の火柱が上がり、観客も、闘技場も、2機のATも、全てが熱くなっていた。 ガルロは先ほどと同じように、スコープドッグを追撃するつもりで炎の中へとATを滑り込ませた。 しかし今度は、スコープドッグは炎を避けもせずに突貫してきていた。 炎の中で2機のATが交錯する! ここでテクニックの差がハッキリと出た。 アームパンチを肩口に受けたファイティングバックスはバランスを崩して転倒した。 「しまった‥!」 ゲイブルは勝ち誇って言い放った。 「終わりだ!」 スコープドッグがマシンガンを構える― が、マシンガンを持つ腕は錆付いたように動きが鈍くなった。 照準を合わせられない。 「なに!?」 ゲイブルは狼狽した。 ガルロはその隙を逃さず、倒れた状態のままサブマシンガンを連射した。 ゲイブルは咄嗟にスコープドッグの姿勢を下げると、後向きにローラーダッシュで後退する。 「よし。いくぞ!」 体勢を立て直したファイティングバックスはスコープドッグを追った。 「クソ! なぜ動かない?!」 後退しながらゲイブルはコンソールを叩く スコープドッグのコクピット内ではPR液の異状を知らせるレッドランプが点滅していた。 PR液は、コンプレッサーにより全身のマッスルシリンダーに繋がっている。 なので、腕だけでなく、脚の動きにも支障がでてきていた。 そして角を曲がろうと重心をわずかにずらした瞬間、 スコープドッグはバランスを崩して転倒した。 その正面にファイティングバックスが立つ。 「そこまでだ! もうお前のATはいつ爆発してもおかしくない。」 「なぜだ!? 何故こんなことに!」 「モーシェックが言ってたよ。  ‥切り札は最後までとっておくもんだっ、てな。」 「まさか‥、貴様ァ!」 ゲイブルは無理矢理スコープドッグの腕を動かしてマシンガンを向けようとした。 パキッ その音はゲイブルには聞こえただろうか? その途端、シリンダーに亀裂がはしり、PR液が噴出した。 そして、スコープドッグは爆発して散った…
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