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ゲイブルの話はこうだった。
開発中のミッションディスク(MD)と新型マッスルシリンダーの互換性テストを行う為にATを一機組みたいのだが、再戦の近づいている現在、軍の施設は手一杯でラインを組めない、という事だった。
「あくまでまだ試験的な段階のパーツなので、即戦力にならない研究に軍は消極的なのだよ。」
と、ゲイブルは肩をすくめながら話した。
「そこでだ。
研究員1人とAT1機、試作パーツを予備を含めて2組用意するので、3日以内で組み上げて欲しいのだが?」
「3日?‥
フム‥、作業内容がわからなければなんとも返答のしようがないな。」
「大丈夫。やってもらいたいのは主にマッスルシリンダーの交換だ。
それに、軍の技術スタッフも手伝うので、不測の場合でもペナルティはない。」
「ふぅ~ん‥、で、報酬は?」
「組み上がった時点で300万ギルダン。」
ガルロは短く口笛で答えた。
「マッスルシリンダーを交換するだけで?!」
「そうだ。
しかし、条件がある。」
少し厳しい表情に戻ってゲイブルは続けた。
「この作業は機密事項なので、今後とも一切他言無用にしてもらいたい。また、今から作業終了までは外部との接触は断ってもらう。」
「‥それだけ?」
「そう、それだけだ。
期間内にうまく駆動させることが出来たら、後200万ギルダン上乗せしよう。
どうかな?」
ガルロには断る理由なんて思いつかなかった。
「いいだろう。」
「よし!交渉成立だな。
午後には荷を運ばせるので早速取り掛かってもらいたい。」
その後、ゲイブルは車をガレージに停めて、歩いて帰っていった…。
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