哭き瓶

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電気工事、土木工事業を営む、馬場さんから聞いた話です。 彼の会社は主に、配電用ケーブルを埋設する業務を請け負っている。 「小学校とか中学校にもよく行くんだけど、嫌なんだよなァ」 重機で運動場を掘り返すと、必ずと言っていい程出てくるものがあるという。 それはお墓。 「一個や二個じゃない、ゴロゴロ出てくるんだ。五輪塔っつーのかな、アレが立ったまま出てきたこともある」 馬場さんは、どうやって埋めたのか想像できないよ、と苦笑した。  ある中学校での埋設工事中、重機で掘削作業をしていた従業員が、馬場さんを呼んだ。 この現場でも、既に幾度となく墓石による中断が繰り返されている。 またかと思いながら穴を覗き込んだところ、少々様子が違った。 掘り起こされた運動場、深さ一・五メートルの位置に…
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