修羅場体験?

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修羅場体験?

「先ぱーい!この女(ひと)、誰なんですかー!?」 「ちょっと、荻原君!この娘(こ)、誰なの!?」 紅葉舞う並木道に、アニメにでてきそうな甲高い声と、若干低く、凛とした声が同時に響く。そのあまりに大きな声に、通行してる奴らが何事かとこちらを見る。これはもしや…修羅場というやつなのか? …気が付くと、甲高い声の女の子が俺の手をギュッと抱きかかえており、低く凛とした声の女の子はそれを信じられないといった目で見ていた…。 …やはり修羅場だ。見てる奴らもほぼ100パーそう思ってるはずだ。だって、俺が見てもそう思うから。 しかし、普通の修羅場と少し違うのは、俺は二人のどちらとも付き合ってるわけでもなく、更に言ってしまえば、どちらも正直苦手で少し迷惑していることだ。 あー、今、俺に向ける殺意を凄く感じたぞ…。でも、事実だし、なにより俺も自己嫌悪に陥っていることだから、許してくれ。多分、俺は恋愛出来ない体質なんだ…。
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