プロローグ

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不思議な事にハッと我に返った時、嘉晃は聖世を抱きしめたまま家屋の焼け跡の真ん中で立っていたのだ。 その光景に誰もが息を飲んだ。 必死の救出活動や消火活動の甲斐なく、この家の住人は全員、焼け死んだと思われていたのだ。 それなのに、全て燃えた木片や黒く煤けた跡地を踏みしめるように無傷で、その家の住人の子供二人が、そこに立っているのだ。 あれだけの火の勢いからは考えられない奇跡だった。
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