132人が本棚に入れています
本棚に追加
自分でも若いのに枯れてるな、と思う事があるほどだ。
隼人は一般的に見てイマドキの高校生とは少し違うかもしれない。
「隼人ってさ、女に興味ないの?聖世さんは一目見ておくべきだよ!絶対に!」
羽田は絶対に!という言葉に妙に力を込めた。
「興味がないって言うかさ、うるさくされるの嫌いなんだよ」
「俺だってうるさい女はイヤだけどさ、聖世さんはそういうのとは無縁な所にいる感じでさ、心が洗われるって感じなんだよ」
羽田の目が潤んでいる。
隼人は羽田にそこまでさせる聖世という人物に少し興味を抱いた。
しかし、わざわざ階の違う三組に見に行こうとまでは思わない。
「俺はわざわざ見に行かなくてもいいや。同じ学校にいるんだからそのうち会えるだろ」
「隼人……お前まさか……ホモなのか?」
後半は周囲には聞こえないように小さな声で隼人に耳打ちする。
哀れむ様な羽田の目が印象的だった。
「…………」
あまりにも突飛な羽田の発言に何も言えなくなった隼人に、どう答えを見つけたのか両手を振りながら後ずさりする。
「俺はお前がどうでもずっといい友達だからな!友達だぞ!それ以上はないからな!」
どうしてそうなるんだ?
最初のコメントを投稿しよう!