悲劇

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自分でも若いのに枯れてるな、と思う事があるほどだ。 隼人は一般的に見てイマドキの高校生とは少し違うかもしれない。 「隼人ってさ、女に興味ないの?聖世さんは一目見ておくべきだよ!絶対に!」  羽田は絶対に!という言葉に妙に力を込めた。 「興味がないって言うかさ、うるさくされるの嫌いなんだよ」 「俺だってうるさい女はイヤだけどさ、聖世さんはそういうのとは無縁な所にいる感じでさ、心が洗われるって感じなんだよ」  羽田の目が潤んでいる。 隼人は羽田にそこまでさせる聖世という人物に少し興味を抱いた。 しかし、わざわざ階の違う三組に見に行こうとまでは思わない。 「俺はわざわざ見に行かなくてもいいや。同じ学校にいるんだからそのうち会えるだろ」 「隼人……お前まさか……ホモなのか?」  後半は周囲には聞こえないように小さな声で隼人に耳打ちする。 哀れむ様な羽田の目が印象的だった。 「…………」  あまりにも突飛な羽田の発言に何も言えなくなった隼人に、どう答えを見つけたのか両手を振りながら後ずさりする。 「俺はお前がどうでもずっといい友達だからな!友達だぞ!それ以上はないからな!」  どうしてそうなるんだ?
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