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「ん? いやぁ、この洋館が立派なだけに部屋も大したもんだなと」
女の子の部屋を妄想してましたと言う訳にはいかないので、無難な回答を返すと、
「そ、そう……あっ、でもこれからカーテンとか変えて、部屋を可愛くするんだから、このままの状態が私の部屋だなんで思わないでよね?」
何か誤解されていると思われたらしいレナに、何やら早口で説明されてしまった。
「あ、そ。――女子の部屋も良いが、正直女子で可愛くあるべき装飾はアレだよな」
それを少しキョトンとしつつ受け流すと、ニヤリと笑いながらこう続けた。
「アレ――って?」
「……はぁ」
そのやり取りを前に、レナはキョトンとした表情を、沙羅は呆れたような表情をした。舞は一切耳を傾ける事無く黙々と荷解きをしている。
すると、
「ふっふっふ――さすがはノブさん、お目が高い。実はですね」
「ん?」
セリが快活かつ悪巧みな笑みを浮かべてノブの右肩に左手を置き、
「レナ様のっ! シルク百パーセントの無地やらフリルやら、なんならこの間買ったばかりの勝負モノなど! アレが入った箱は残りのラスト二箱にあるんでっす!!」
クワッと、塾長とでも名乗り兼ねない気迫で「アレ」とやらの情報を提供した。
「な、なにいいいいい!?」
そしてそれに戦慄するノブと、バカらしい光景を作っていると、
「シルク……? 無地、フリル……勝負――。っ!」
その脇でレナがようやく二人の話題が下着についてだと気づき、顔がみるみる赤く染まっていった。
そこでまた続いて、
「ノブ、働けよ……。あと箱はラスイチなんだからさ――」
まるでタイミングでも見計らったかのように大志が箱を抱えて部屋に入ってきた。
「よぉしセリ! 行くのだ! お前はトレジャーハンターだぁ!」
「レッツ、お披露目!」
某ポケットなモンスターのトレーナーよろしく、ビシッと人差し指を突き出したノブにセリが呼応。素早く大志の手から下着入りの段ボール箱を取り上げた。
「へ? 何?」
「ちょっ――!」
現状を理解できない大志と、下着を狙われている事に気づき慌てるレナ、二人が対象的なリアクションをしている間に、ノブとセリは早くもその場にしゃがみ、こみ箱の開封に取りかかっていた。
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