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そして、
「とうっ!」
とうとうセリが箱の中から下着を取り出し、審判の時が。
だが、レナもレナでとうとうメーターが吹っ切れた。
「じゃじゃ~‥」
「死ねぇ!」
ゴスッ!!
白い布が広げられるのが遅いか早いか、ノブの体が浮き上がらんばかりの勢いで右足を蹴り上げた。ヒットした箇所は、正面を向き合う体勢が災いして、股間にジャスト。
場が一瞬にして静寂に包まれた。
「―――」
完全に死角からの攻撃だった為、モロで食らってしまったノブは悶絶することも出来ず、光を失いかけた瞳で虚空を見上げたまま一ミリも動けないでいた。
「……うわぉ」
端から見ていても凄まじかったその一撃に、セリも主の白いショーツを前方に広げたまま固まっている。
静止すること、数秒。
すると、
「――コ、コ……コ」
もう虫の息となっているノブが、何か言葉を紡ぎ出そうとする。
そして、
「コッカーン……スパニ、エル―――」
バタッ……
謎の言葉を残し、レナの横へ内股のまま前のめりに倒れ込んで息絶えた。
ショーツを掲げるメイドと、肩で息をしながらうつ向く金髪の少女と、その横に内股で股間を押さえながら痙攣して倒れる男というますます混沌とした光景の中、
「……ふむ、こちらはブレザーですか」
発言するタイミングを見計らっていたのか、舞による次の箱への呟き。
ちなみに残りの一箱はこの後、信用を置かれた大志が取りに行く事となった。
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