新「制」活、スタート!?

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そんな涙目のレナを前にして、 (何この娘っ! 抱きしめたいっ!) 何だかよくわからない衝動に駆られること数秒、落ち着いて次なる話題へ。 「えーっと……あ、そうだ。今日って半日で終わるでしょ? 放課後、案内ついでに野球部に来ない?」 「ふえっ、野球部?」 ガタッ! 「「……?」」 野球部、という単語にざわついた周り(主に野球部員)に二人して首を傾げる。学ランだから身につけている訳がないネクタイを直す男子生徒もいた。彼女らとしては、ただ今後の予定の話をしただけだというのに。 「で、大志先輩とノ・ブ・せ・ん・ぱ・いがいた部だからさ。ちょっと覗く程度なら良いんじゃないかな?」 話を戻し、麻美がにこやかに冗談混じりでそう告げると、レナは少しジト目になりながら考え込み、 「……わかった。行く」 口を尖らせながらも麻美の提案に同意した。 からかわれながらも自身がしたい事に嘘がつけない、レナのそんな姿に麻美は思わず微笑み、指先で控え目に彼女の頭を撫でながら顔を覗き込む。 「ふふ。そう拗ねないで、ね? それじゃあまた放課後」 続けて麻美はそう告げると、ヒラヒラと手を振りながら立ち去ってしまった。 「んもう……」 何だか良いように扱われたような気がして、やや膨れ面になりながら自分の教室へもどるレナであった。 そして午前の授業が終わり、放課後。 「え―――? あ、え?」 レナは前方の光景に唖然としていた。 「ふおおおおおおおおおおお! 本当に来たああああああ! 金髪美少女おおおおおおおおおお!!」 『うおおおおおおおおおおおおお!!』 グラウンドのど真ん中で絶叫し反応する野球部員達はさることながら、 「ワーオ! イェスッイェスッ! オーゥ、イェスッ!!」 連れられるように叫ぶ、ノブの姿がそこにはあった。 そんなサプライズゲストには麻美も心底驚いているようで、 「あれ、ノブ先輩……なんで?」 「いやぁ、仕事の合間が思いの外空いちまってさあ……来ちゃった。てへぺろ♪」 「ずいぶんと軽いノリですね……」 怪訝そうな顔でノブとやり取りし、しょうもない理由だとわかった時点でがっくりと肩を落とした。
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