新「制」活、スタート!?

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「「「………」」」 更に数秒、誰も動かないままでいると、 ダッッッ!! そのままスタートを切るノブ、ノートを抱えたまま一歩を踏み出す麻美、ベンチから立ち上がりながら走り出すレナ。犯罪者の捕り物が始まった。 ちなみにこの追跡劇、麻美が投躑したシャーペンがヒットするものの、すぐさま社用車に辿り着いたノブの勝利で終わる。 「はぁ~、終わった終わった」 駒ヶ谷大学キャンパス内。首をコキコキと鳴らしながら大志はぼやいていた。 清々しいといった表情の大志に対し、寄り添うように歩いていた沙羅が前方へ進みながらも前に回り込む。 「この後は?」 「んー、あちこちで勧誘やってるみたいだし、サークル見に行くか」 そう言って大志が見渡した周囲は、とても平常時のキャンパスとは思えない賑わいを見せていた。 配置された長机の前で大声を出して新人を勧誘するサークル、ユニフォーム(一部へんてこなコスプレ)を着てパフォーマンスアピールをするサークル、容姿に優れた女子を宣伝役に使うサークル。どこも新入生を入れる為に必死になっている。 「大志君、サークルに入るの?」 「せっかく大学に来たんだしねぇ――って気持ちもある。かといって、惰性で籍を置くような真似もしたくないしなぁ……てな感じで悩み中」 そうやって返す大志が辺りを見回すと、目に入って来たのは天体、オカルト、漫画などの定番の文化系サークル、テニス、サッカー、バスケなどの体育系サークル。総合格闘技研究会というのが一瞬ひっかかったが、どうにもダベる事が中心のようで、実践もしてみたい大志の意向とは違う。 「う~ん……」 勧誘ブースが並ぶ中、一区切りついた所で顎をさすりながら唸る。 と、 「大志君、野球は?」 「えっ? ああ、部か――」 唐突な沙羅の進言に、少しだけギョッとしてしまった。彼女が指しているのは、集まった学生で好き勝手やるサークルではなく、公式戦などに登録ができる大学に設置された部なのだろう。 確かに高校野球の主将として地区予選準優勝した実績を持っている自分なら、丁度良い場所なのかもしれないが……大志はどうも気が進まなかった。
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