第二王女の留学!?

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第二王女の留学!?

「準備は既に完了しているのだな?」 神王の執務室。デスクに向かうアーサーの目の前には、何枚もの書類が広げられていた。 「はい。手続きは全て。あとはご本人の転移のみとなります」 更にその前方、デスクの前には神界にいる事自体が稀な人物が――神界と人間界を結ぶ事務官、かつ人間界での大志と沙羅の住まいである屋敷の管理人たるルドルである。白髪の混じった髪はオールバックに整えられ、引き締まった壮年の顔にベスト姿が実にマッチしている。 「ふむ、そろそろ話さねばな」 「おや? まだ話されていないのですか?」 「ははは。何、驚かせてやろうと思ってな」 「相も変わらずですね……また奥方に叱られますよ?」 何気なく交わされる会話はまるで旧知の仲のそれ。立場や役職だけの間柄とは言い難いものだ。 「それは――確かに怖いが……我が子の人生にスパイスを効かせるのだ、これくらい苦ではないさ」 痛い所を突かれたアーサーは、口の端を上げて皮肉っぽく笑った。 これにルドルも笑みで返し、 「実にお優しい父親ですな」 今回の神王の企みに対し皮肉を含んだ言葉を続ける。ニヤリというよりかは軽く笑い飛ばすといった感じだ。 と、 「それでだ。とにかく――」 アーサーが話を戻し、手近にあった書類を一つ取り上げる。 そしてその題名部分には、 「娘の面倒を、よろしく頼む」 「駒ヶ谷高校」の文字がはっきりと記されていた。
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