先生、あのね

2/10
前へ
/36ページ
次へ
僕は目覚ましの音で起きると、着替えを済ませて、リビングに降りる。 そしてテーブルの上に置いてあるパンと牛乳とメモ用紙を見る。 僕はパンと牛乳をそのままにして出て、バスに乗り学校に行く。 学校には、僕のことを見てくれている人がいる。 その人は、僕の担任の先生。 先生は若くて、元気で、いつも僕のことを気にかけてくれる。 お父さんのソフトが売れた時も、僕が話をする前に気づいたし、お父さんとお母さんが変わった時も、先生は気づいてくれた。 だから、放課後に先生に話してみた。 「そうか……。 お父さんもお母さんも太郎にかまってくれなくなったのか」 「先生、前みたいに三人で一緒にいたよ。 お父さんもお母さんも自分のことに夢中なんだ。 僕なんかいなくてもいいのかな……」 「太郎……、そんなことないよ。 子供がいなくなってもいい親なんていないよ」 「ほんとに?」 「本当だよ。 先生が嘘を言うと思う?」 「ううん、先生が言うなら信じるよ」 「ありがとう。 バスが来る時間だよ」 「うん、先生さようなら。」と、バスの方に向かった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

304人が本棚に入れています
本棚に追加