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あんなに楽しかった夕ご飯も今は一人。
「あっ、お母さんに夕ご飯を作ってもらおう」
太郎は目を開くと、部屋を出て下に降りて行く。
「ねぇ、今日の夕ご飯はハンバーグがいいな」
「そう、わかった。
注文するからちょっと待っててね」
「違うよ。
お母さんの豆腐ハンバーグが食べたいんだ」
「豆腐ハンバーグなんて、貧乏じゃないんだから。
それに母さんは今からクリスマスのことで美容室に行かなくちゃいけないから、わがまま言わないで」
「う、うん、わかったよ」
(お母さんは僕よりも美容院の方が大事なのかな……、僕っていないほうがいいのかな)
「あっお母さん、お父さんは?」
「お父さんは仕事で今日も帰れないって。
だから、食べたらすぐにお風呂に入って早く寝なさいよ」
太郎は返事をして部屋に戻る。
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