1262人が本棚に入れています
本棚に追加
あれは忘れもしない8月だった。
ある仕事を一緒に行うようになった。しかし結果は失敗というものだった。
肩を落とす彼に励ましの声をかけるのが始まりだった。
-大丈夫⁉元気だして-
彼は
-へこんでなんてないよ。大丈夫-
と笑顔で返してきた。
続けて、
-今度ライブでも行かないか⁉知り合いが演奏すんだ。行く相手がいなくて…-
急な誘いに戸惑った。
彼は既婚者であたしと同じ年に近い娘がいたのだ。
しかし、上司という事もあり、断れないと思ったあたしはとりあえず快諾してしまった。
軽い気持ちで…
職場の誰かを誘って行けばいい!!そう考えていた。
その夜メールを送った。以前飲み会で酔った勢いで連絡先を交換した事があった。もちろん一度もお互いメールをした事もない。
-今日の話は冗談⁉⁉-
そう送ると、
-もちろん本気だよ😃楽しみにしてるよ-
そう返ってきた。
事の重大さを少し感じ始めた。
-誰か誘ってもいい⁉-
誘う事で[イケナイ事]ではない事を証明したかった。
しかし、彼は
-もちろん二人でデートだ😃-
デート⁉⁉⁉⁉
[イケナイ事]になる予感がした。
あたしはあたし自身に言い訳した。
これはライブに行く相手がいないから誘っただけだと…
最初のコメントを投稿しよう!