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歪んだ視界に何か白いモノが映りこんだのは、それからすぐ後のことだった。
仰向けに倒れている私の周りをうろうろと徘徊しているのが、ぼんやりとだが見える。
そして、
ピンポーン……。
ピンポンピンポーン……。
自宅のインターホンが鳴らされた。
数分が経過するとようやく母が出てきて、血を流して倒れている私に気がついてくれた。
* * *
「まぁっっったくもぉアンタは……」
呆れ顔で私の手当をする母。
傷口は痛みの割には浅く、頭皮を少し切っただけだった。
「呼び鈴押してからまた怪我した場所に戻って寝てたの?」
「?」
「Leoが押したんでしょ?」
「僕が?ううん、押してないよ?」
私と母は無言で首を捻ったが、結局分からず仕舞いだった。
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