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『ママ、どうしてゆきのにはパパがいないの？』
『……雪乃のパパはね、遠い、遠い世界にいるの。』
『とおいせかい？どぉこ？』
雪乃はきょとんとしながら母に聞き返した。
『……本の中の世界よ。ママが17歳の時にね、不思議な本に出会ったの。パパとはその本の中で出会ったのよ』
『？』
雪乃はやはりよく分かっていないようだった。
もっとも、大人が聞いたところで、余計に首を傾げるだけだろうが。
『……雪乃がもう少し大きくなったら、ちゃんと話してあげるね』
《17歳の誕生日……
たった１日だけ現れる
それは本の世界へ繋がる本
―その本の題名は
Wish on a star― 》
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