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あれから二匹は少年にポケモンセンターに連れて行かれた。
少年はリーフの石を人間達が倒れている場所に置いてきた。
ポケモンセンターから出された二匹はセンター内の少年の部屋にいる。
「えっと……どうしてリーフの石なんか盗もうとしたの?」
少年はイーブイに問いかける。
「…………」
イーブイは黙ってクサイハナを見る。
「そっか……クサイハナをラフレシアに進化させてあげようってしたんだよね?」
少年の言葉にイーブイは頷く。
「そっか……でも泥棒はしたらいけないよ。でもあれは貴重なものだからここら辺には無い。だから盗んだんだよね……」
少年はイーブイに向かってしみじみ呟く。
「でも……代わりになるものなら持ってるよ。」
そう言って少年は自らのバッグの中から太陽の石を取り出した。
「この石を使えばラフレシアにはなれないけど……キレイハナってポケモンになれるんだよ。」
(……綺麗花?)
少年がクサイハナに石を当てる。
(あ………)
クサイハナは淡い光に包まれ進化をした。
「良かったね!!」
そうイーブイは言った。
「じゃあ俺は行くね。」
街外れのサイクリングロードへ続く道で少年が言った。
そして少年は二匹に背を向け歩き出した。
二匹の姿を目に焼き付けようと思い少年は後ろを向く。
「……あれ?」
今し方別れたばかりの二匹が少年の後ろにいた。
「もしかして……一緒に旅をしたいの?」
少年の言葉に二匹は頷く。
「分かったよ!」
少年は二匹に向かってモンスターボールを投げる。
二匹はさほど時間もかからないうちにボールの中に収まった。
少年は捕まえたばかりの二匹をボールから出す。
「まだ名前を言ってなかったよね?」
少年は言葉を続けた。
「俺の名前はリョウ!よろしくね!!」
(もしかしたら綺麗な花はリョウやイーブイちゃんの心に咲いているのかもしれない……)
そうキレイハナは思った。
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