埋没少年

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屁理屈ばかりをこねる退屈極まりない世界に、僕は住まう。 全てが屁理屈。 実に簡単。 嗚呼、じゃあ理屈っていったい何だと聞かれたら、それはそれで困る。 だってそうだ。 僕は屁理屈の中で生きてるんだから。 実に簡単だ。 理屈=分からない これが答え。 屁理屈ばかりじゃつまらないが、何だかんだ文句を垂らしても此処が居心地良くて仕方がない。 理不尽で我が儘。 そうそれが僕。 あ、僕って世に言う「ツンデレ」なのかもしれない。 はは、まあそんなこと、もうどうだっていいのだけれど。 実はね、もうすぐ眠らなきゃいけないんだ。 つまんないよね。 うんうん。 だからその前に一度トビキリの屁理屈をこねようかと思って、僕は屋上に居る。 ひょろく見えるけど、それなりの力はあるんだ。 ヘェンスなんて軽い軽い。 おお、絶景かな絶景かな。 無理矢理剥がした点滴の腕が少し痛むけど、そんなの無視だ、無視。 「うん、実に愉快。さよなら、愛しのマイワールド」 最後の屁理屈。 大空に飛んで死んだら、向こうで羽根の生えた天使になれると思うよ。 ま、今の僕は翼なんてないから真っ逆さまに堕ちてるんだけど。 埋没少年
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