媚薬

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「今日はハロウィンということで」 そういって古泉が鞄の中から出した袋には、 ちんまりとしたチョコレートが、二つ入っていた。 「…なんだコレ」 「チョコレートです」 「いや、それは分かる。が、ハロウィンとどういう関係か…」 「もちろん、悪戯ですよ」 悪戯…と聞いて拒絶反応が出るのは、 本能が危険を察知していたのか、 日頃から我が部の団長を見ていたからか。 だいたい、古泉の口から「悪戯」という単語が出ること事態、もう危険だったのかもしれない。 「この二つのチョコレートの一つには、即効性の媚薬が入ってます」 「…は?び?」 「僕もどっちに入ってるか分かりません。そこで、二人で同時に食べてどっちに入ってるか確かめるんです」 「確かめるって…確かめてどうする」 「それは…ケースバイケースです」 こいつの頭の中でどういうケースが想像されているのか、大体の予想はついたが、 ここは学校で、しかもまだ下校時間に至ってないときた。 こんな時に、こんなAVでしか聞いた事のないような薬を盛られたとしたら。 …考えただけでおぞましい。
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