第2章 喰

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「ブラック!」 私は走って家まで帰ってきた。 「な…何だよ…」 「…昨日の夜…どこに行ってたの?」 ブラックは目にみえて動揺していた… 「気付いてたの…か…」 「今日、弘樹君が行方不明になったって……何か知ってるでしょ…」 「知るかよ…」 「だって…行方不明になりだしたの…ブラックが来てからだし」 私は真っ直ぐブラックを見つめた。 ブラックは、う…とうめいてからため息をついた。 「分かった…言うよ。俺が奴らを消した。」 「………」 私は何も言えなかった。 「俺が何のために来たか知ってるか…?俺は…お前の親父がお前と交した約束を果たすためにきた…」 『なんとかしてやるから』 パパの声が思い出された。 約束… 「お前を守るんだ…」 「ブラック…」 「俺は毎晩奴らを喰ってんだ…」 「うん……」 「お前が嫌ならやめる…」 部屋がしんと静まりかえった。 「やめたら…どうなるの?」 「やめたら……餓死する」 「え?死んじゃうの?」 私は急に悲しくなった。 「まぁ…どうせ、いじめっ子喰べ終われば餓死する運命だがな…」 「ブラック…やだよ……死んじゃ…やだ…」
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