第2章 喰

3/12
前へ
/17ページ
次へ
今日はいじめも起こることなく、学校が終わった。 家に着くと、ブラックがホットケーキを食べていた。 「私にもちょうだい。」 ブラックは私の声に気付くと、フライパンの中のホットケーキを皿に乗せて、シャーっと机の上を滑らせた。 「ありがと。」 私はイスに座り、ホットケーキをほおばった。 「…なァ…、今日学校で変わったことあったか?」 ブラックが聞いた。 「変わったこと?…うん…。いじめっ子の悠君が行方不明になったんだって。」 ブラックの眉毛がぴくっと動いた。 「…それを聞いて、どう思った?」 ブラックは真剣な表情だ。 「パパに言ったら怒られそうだけど、正直嬉しかった。」 私は思わず、にこっと笑った。 ブラックは安心した顔をして、コーヒーをいれた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加