赤ガ好キ

8/9
前へ
/9ページ
次へ
僕は病院を抜け出した 看護士の隙を見て 大好きな赤を見たくて 逃げ出したんだ 夕日が良く見える河川敷を目指してひたすら走る ベッドに寝たきりだった僕の足は衰えて、数歩走っただけでもつれて転んだけれど 赤が見たい この土手を上がれば河川敷はもう直ぐそこだよ 泥まみれになりながら 草を鷲掴んで 裸足で土手を上がって もう一歩 早く赤を 赤を僕に下さい神様
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加