親父

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一瞬世界が暗くなった。 それからまた目が覚めた。 手には生暖かくてぬるってしたのがまとわり付いていた。 俺のお気に入りの手袋が真っ赤に染まってた。 親父を見ると顔も真っ赤で苦しそうだった。 それから「ケガしてないか」って優しく聞いた。 「どこも痛くない」って言ったら笑ってた。 でも辛そうで真っ赤な血が流れている頭を一生懸命に押さえた。 でも止まらなかった。 バクバクしてたのが弱くなるのが分かった。 「大丈夫?」て泣きながら聞いた。 「大丈夫。少し眠いけど。 それよりお願いがあるんだ聞いてくれるか」って。 泣きながらうなずいた。 「よしいい子だ。あのな、お父さんは少し遠い所に1人でいかないといけないんだ。だからお母・・・さんを守って・・・上げ・・・てくれ。」 うなずいたらほほ笑みながら 「いい子だな。男のヤクソクだ。いいな?」 「なら僕のヤクソクも聞いて?あのね、またキャッチボールしてそれから、また手をつなぎながらジュース買ってね?」
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