得体の知れないもの

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得体の知れないもの

今回は自分が小学生の頃にあった話。この体験の真相は未だによく分からない。ただ一つ、間違いがないことはそこにそれがあったこと。ただそれだけ。   当時、地元の小学生の間では怪談が大ブームだった。「学校の怪談」がドラマ化されテレビ放送されていたからだと思う。はっきりとした記憶は定かではない。極度な怖がりだった自分、そんなドラマなど見るつもりは一切なかったが。   そんな春先の土曜日、クラスの女子から電話で呼び出しをくらった。雪が溶けたばかりでまだまだ地面がむき出しとなっている。呼び出したのはうるさい女子二人組。ここではA子とB子とする。なにかと厄介な連中だったので面倒だが出かけることにした。 集合場所に到着。小さな町の図書館近く一人で待ちぼうけ。しばらくすると例の二人組がやってきた。しかし様子がおかしい。どうしたんだろうか。   A子が駆け寄ってくると間髪いれずこう言った。 「あき、赤い車に乗った髪の長い不気味な女の人にあきを探しているって言われたんだけど知ってる人!?気持ち悪い…」 「なんか○○神社で待つって言ってたよ!!」 B子がA子に続けて喋ったため二人の話が若干聞き取りにくかった。 「…○○神社…?どこそれ?」 本当に知らない自分。変だなとは思いつつも話の詳細を聞いてみた。 「この手紙を渡すように言われたの。」 A子から小さな封筒を手渡された。中には雑誌や新聞の切り抜きで書かれた怪文章チックな紙。 『~ ○○神社の○○を掘れ。 ~』 かなり気持ちが悪かったが、ここで些細な疑問が生まれた。 「これはいたずらではないのか。」 ためしに女性の容姿について質問してみると二転三転する。この場で確信した。ほぼ間違いない。しかし、性格の悪い自分、敢えて釣られてみることにした。   道中はなかなか滑稽だった。頑張って演技をしている二人。困っている様子をしながらも表情のどこかに笑顔が隠れていた。自分も対面上は慌てふためいている様子を取り繕っていた。内心、少しむっとしてはいたが。   しばらくすると神社に到着。本当に自分の知らない神社だった。地区の神社なのだろう、小ぢんまりとしたお社だった。 「あそこだよ、掘り返した跡がある!!」   <⚠初めての事なのですが次のページに続きます>
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