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いつの頃からだったか覚えてはいないが……俺の瞳には、青が白に映るようになってしまった。
理由や原因は、よく分からない……きっと精神(こころ)の問題だろう。知らぬ間に精神(こころ)に傷を負ってしまったんだろう。
いや……本当は……ただ……思い出すのを拒んでいるだけで……その理由や原因を自分では、はっきりと知っているのかもしれない……話が少し逸れてしまったが、つまり俺の瞳に映る青空は……
真っ白。
って事だ。いったいどのぐらい見ていないのだろう?もう……遥か昔の事で覚えていない。
……青空。
死ぬ前には、もう一度ぐらいこの瞳に青空が映るのだろうか?
だが、俺にとって青空が白く映るのは、それほど問題ではなかった。なぜなら、俺にとって青空は、大好きな存在って訳でもないし、大切な想い出がある訳でもないからだ。だから、青が白に映ろうが俺には、何の問題もない。何なら別にどうだっていい事だ。
むしろ俺にとって大問題なのは
白が青に映る事の方だ。
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