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俺とハルカは剣道場に向かった。
「ケント、本当に大丈夫なの?」
俺はハルカの方へは向かずに歩き、
「大丈夫だよ、心配するなって💧」
と、易しく言った。
そのうちに二人は剣道場の入口に差し掛かった。
中から、ビシ バシ音が聞こえてくる。その中に胴着に着替えたコウキを見つけた。
ちょうど、コウキは試合を終えた後だった。
「…ふぅ…お、ケント気がついたか。」
コウキは面を取り、ケントと向きあった。
「ああ、おかげさまで。」
「ちょうどいい。竹刀をとれ。」
コウキが顎で指した先には竹刀が転がっていた。
「え!?」
「一本勝負だ」
「でも、俺胴着に着替えてな…っと、お前に口ごたえは無用だったな。」
コウキはフフンと笑い、
「その通りだ。よく分かってるじゃないか。」
と言った。
「ただし、俺も胴着を脱ぐ。いいな?」
「ああ。」
コウキは胴着を脱ぎ、自分の配置場所に置いた。
そして俺は竹刀を取り、コウキと向かいあった。
「礼!」
二人はかるくお辞儀し、竹刀を構えた。
(竹刀喰らったら終わりじゃないか💧慎重に…)
俺は目を閉じ気持ちを落ち着かせた。
「行くぞ!!」
コウキの掛け声と同時に目を開き、初撃に備えた。
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