目覚め

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私はアリスが大好きなのだ。   本当に、心から。   どうしてここまで好きになったかは分からない。     だけど。     喋るウサギ。   イカれたお茶会。   伸縮する体。   首切り女王様。   謎の猫。     挙げたらキリがない。   なんとも不思議な世界。   私は憧れを強く持ったのだろう。     アリスに。     いつからか、自分もアリスになりたいと強く思うようになった。   それは大学生に上がった今でも時おり思うことだ。   もうすぐ成人になる私が、こんな非現実なことを願っているなんて、周りから見ればさぞかし滑稽だろう。   だけど、親元を離れ独り暮らしをしている私は、何か心の拠り所が欲しいのだ。     『ハァ・・・。』     私は一つため息をつくとベッドから離れた。  
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