その背中は、あまりに広く、逞しい

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  それは恐怖だったのだろうか。   ……否。   そうじゃない、何か、別のもの。     護れた筈の命を護りきることが出来なかった、僕の無力さに。   護られていたからこそ生き延びられていた、僕の非力さに。       打ち拉がれた。         これは、心が上げる悲鳴なのだろうか。     鳴り止まない。   寧ろ、速くなっていく。   せわしない、鼓動。       それと反比例するように。   少しずつ、少しずつ。   鈍くなっていく、思考。  
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