その背中は、あまりに広く、逞しい

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  ――あぁ、敵がもう、目の前に。     気づいても、僕は。   立ち尽くす。   逃げることを忘れてしまったように。     顔をすっぽりと覆い隠す兜の下で。   見知らぬ兵士が、厭らしい笑みを浮かべたような気がした。     降り下ろされる、凶器。             目の前が、赤く染まった。  
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