その背中は、あまりに広く、逞しい

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  ――戻ろうか、兵舎に。   騎士が、僕に向き直って、言った。   周りには、もう、敵の姿は、見当たらない。     結局のところ、戦いは、どうなってしまったのだろう。   麻痺した思考は、それさえまともに考えさせてくれなかった。     ……たった、一言。   騎士が発した言葉が、深々と胸に突き刺さる。         ――あまりに多くの犠牲を払いすぎてしまった。         僕は。   無意識のうちに、泣いていた。  
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