独リ歩キ‐短篇集‐

暗森の孤狼

　
本当は、淋しくて堪らないのだろうか。

どこまでも付いて来る。

闇に包まれたこの森の中。

どこまでも、どこまでも。

砕けてしまいそうになる。

この心も、この足も。

これ以上動かすことが困難になって、僕は道の途中で、立ち止まった。