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出逢いは冬。
空が白い涙をこぼしていた北の地、札幌だった。
いつまで降るんだろう……と思って、黒くなった空を見上げた。
「寒いっ」
身に着けている黒のロングコート・マフラーの隙間から冷たい風が入ってくる。
思わず《寒い》と声に出してしまった。
そして駅に向かうため、空から一端視界を戻し、人混みの中を進む。
ロングブーツが静かに降っている雪を、静かに踏んでいく。
ブーツからは、キュッキュッと耳につくような音を奏で始めた。
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