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「お父さん…」
周が声をかけると藤は気が付いて顔をあげた
「まだ起きていたのか…」
藤は周に近付いて周の頭を撫でる
「…僕お母さんの所には行かないから…ずっとお父さんの帰り待ってる…」
周の言葉に藤は暫し黙り込んだ
そして呟く
「…なんで?」
「お父さんが好きだから…離れるの嫌だもんっ…」
周の言葉に藤は急に微笑んだ
「そこまで俺のこと、好きでいてくれてありがとう…」
藤は周を抱き締める
「…しかしこれでも周はそう言えるか?」
不意に藤の声が低くなった
「お父さん…?」
周が顔を上げようとした瞬間視界が反転した
藤の悲しげな顔の向こうに天井が見えて押し倒された事に気が付いた
「お父さん…もしかして…」
「そのもしかして…だな」
藤は周の髪を撫でつけながら覆い被さった
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