第二話 挫折は苦痛、堕落は快楽

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と、そこに すれ違いざまにヨナの手に小さな箱が手渡された。 「!!」 「その箱の中身を門兵に見せればいい」 「……」 横目で相手の顔を確認しようとするが、コートのフードを目深に被っている。 「それから」 「…?」 「あまり騒ぐな…目障りだ」 殺気を感じヨナはスーツの下のフォルスターにいつでも手を掛けられるよう腕を組んだ。 が、コートの使いはそれ以上は何もせず、足早にその場を去っていく様子だった。 噂通り、ソレイユ王に反感を抱いている輩は何人もいる。 「肝に銘じるさ」 ヨナは肩を竦めてため息をついた。
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